愉快な世界の漬物たち
日本だけではなく食卓に漬物が並ぶのは世界中で日常的に見る光景です。
ここでは、世界の個性あふれる様々な漬物をご紹介いたします。
「ピカリリ」は香辛料を使ったイギリスの伝統的なピクルスです。インドの食文化の影響を受けたピクルスで、マスタードやターメリックなどの香辛料が使われていることが特徴です。
作り方は、カリフラワー、インゲン豆、玉ねぎ、きゅうりなどの野菜を1口大に切って塩水に漬けた後、酢、砂糖、小麦粉、マスタード、ターメリックなどの香辛料を混ぜて、とろみがつくまで煮たてた漬液に絡めます。(絡めた後少し煮る作り方もあります。)その後保存容器で1か月以上漬けこみます。
イギリスの家庭では、ソーセージ、ハム、ベーコン、卵、チーズやサンドイッチなどの付け合わせとして食べられます。
イギリスのパブ(居酒屋)の定番メニュー、「農夫の昼食」という意味のプラウマンズ・ランチはパン、チーズ、ハム、ピクルス、サラダなどの盛り合わせプレートですが、ピカリリが添えられることはよくあります。
また、クリスマスにはローストターキー(七面鳥)、ローストチキンを食べることが多いのですが、翌日お肉の余りをスライスして、ピカリリと一緒に食べることも多く、クリスマスの時期にもおなじみのピクルスのひとつです。
参考文献:
『「食」の図書館 ピクルスと漬け物の歴史』
ジャン・デイヴィソン著 甲斐理恵子訳(原書房)
『絵本 世界の食事[20] イギリスのごはん』
銀城康子文 萩原亜紀子絵(農文協)