白菜は、冬場だけではなく夏場にも涼しい地域で栽培されています。一年を通して皆さまの食卓にお届けしている「こくうま」は、常に新鮮な白菜を使用するため、夏場の白菜農場にもこだわっています。長野県南佐久郡南牧村にある長野農場は、八ヶ岳の麓に広がる標高850〜1,500mの広大な農地。千曲川の源流域にあり、澄みわたる空気と東京より10℃も低い冷涼な環境を活かして、「みずみずしさ」と「おいしさ」にあふれた白菜を栽培しています。
夏場に向かう白菜の栽培は、やがて来る梅雨や夏の豪雨・干ばつ、そして活性化する病害虫、さらに野生動物の食害など、厳しい条件との戦いです。毎年その時々の気象条件や病害などを予測して、それに適した品種の選択にはじまり、病気や害虫・動物から守るための対策など、まったく気を抜くことができない日々が続きます。
昨年の秋口から土壌管理してきた畑に、温度や湿度を管理できるように被せられた銀色のシートに45cm間隔に穴があけられ、そこに種苗して30日ほど経過した白菜の苗が定植されていきます。この地域の年間平均気温は8℃前後、5月中旬とはいえ、高原に吹く風は、少し肌寒さを感じます。
定植された苗は、これから2ヶ月かけておいしい白菜に成長していきますが、定植が始まると、その苗を狙って山から野生の鹿たちが畑に入ってきます。それを防ぐために、広大な畑を取り囲むように防護柵が張られています。
八ヶ岳を望む作付面積16haの広大な畑を父と共に管理する高見澤賢丈(タカミザワヨシタケ)さんは、この農場の三代目。祖父が開墾した畑を、父が発展・拡大し、さらに三代目の賢丈さんが近代化させています。零下30℃にもなる厳しい冬を超え、いよいよ多忙な夏白菜の季節が始まりました。
『この地域は、内陸性気候で昼夜の温度差が大きく、高原特有の霧がとてもおいしい白菜を育ててくれます。いろいろと苦労も多いのですが、自分が育てた白菜が、人気の「こくうま」になって全国の皆さんに食べていただけることに喜びを感じます!』と笑顔で語っていただきました。