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第35回 佐賀県 カリッとした歯ごたえで、ご飯にも晩酌にも合う「青しまうり漬」  佐賀市から約25km西側、牛津川沿いの盆地に広がる多久市は、孔子の里として知られており、市内に残る「多久聖廟」は、現存する聖廟としては足利学校(栃木県)、閑谷学校(岡山県)に次ぐ古い建物といわれている。そんな歴史ある多久市の「青しまうり」の酒粕漬けは伝統の味として定着し、全国にもファンが多い。

メロン農家を中心に、青しまうりの栽培を委託するところから始まった。ところが、作り手が高齢化してい青しまうりを選別している農家の陣内さん。500gを基準に「手で持ったらだいたいわかる」と言う。ることもあり、手間がかかる新しいことはしたくない。また、在来品種は栽培が難しく、収穫量が少ないという欠点もあった。それでも、少しずつ取り組む農家が増えて、今は13名が青しまうり栽培に取り組んでいる。

地域の名産品になった「青しまうり漬」

 多久市の夏季限定の特産物「青しまうり漬」の販売が、7月1日から始まった。農産物直売所「たくさん館」に訪れた市長やJA関係者は、「しっかりとした漬け具合とカリッとした歯ごたえは今年も健在」と期待を寄せる。
 「青しまうり漬」は、昔から栽培されている青しまうりを酒粕に約1か月間漬けたもので、砂糖、塩、酒粕のみを使用した自然食品。一般的な白うりに比べてカリッとした歯ごたえに特徴があり、酒粕の芳醇な香りが人気で、市内はもとより県出身者を中心に全国から注文がある。
 「カリッとした食感と酒粕の香りが、芋焼酎とよく合うんですよ。佐賀ではお茶請けにこういった漬け物を出すことも多いですね」
 そう話すのは、JAさが佐城地区多久中央支所・営農経済事業所農産野菜課の野中大史(ひろふみ)さん。一口いただくと、独特な酒粕漬けの香りが口に広がり、ご飯がいくらでも食べられそうだ。
 青しまうりは家庭で自家用として栽培され、酒粕漬けや浅漬けとして食卓にのぼっていたという。それを地域の名産品として商品化したのは、平成元年ごろ。
くこと。この手間によって、成長するほうに養分が回り、日当たりもよくなって、うりの肌がきれいな緑色になります」
 花が咲いてから実が付くまでは2週間と短い。4月下旬から5月中旬にかけて、大きくなったものから収穫する。状況に応じて、実がついてから冠水チューブに液肥を加えて追肥を行なう。
 地温が上がると、うりの内部が色づいてしまうので、収穫は日の出と同時の早朝に行なう。収穫を終えたものは、形や大きさを選別して、JAに出荷する。
孫づるに実がなるように、摘心してつるを伸ばしていく。なりはじめると、早朝からの収穫作業が忙しくなる。

露地栽培よりもハウス栽培が向く

陣内さんが栽培しているハウスのひとつ。梅雨の長雨に当たらないほうが、病気になりにくいという。
   JAの青しまうり部会の会長を務めたこともある陣内(じんのうち)武資さんは、露地栽培ではなくハウスで青しまうりを作っている。
 「栽培期間に梅雨があり、長い期間、雨に当たると病気になりやすいんです。だから、ハウス栽培のほうが安定した
品質の青しまうりを収穫できます」
 陣内さんは苗を定植しているそうだが、青しまうり部会の現会長が種を自家採種して保管し、それを種苗業者に委託して苗を作ってもらっている。
 肥料をすき込んでから畝を立ててビニールマルチを敷き、穴を開けて苗を定植するのは3月下旬。親株から子づるを4本仕立てにして伸ばしていく。子づるから孫づるが出るので、孫づるに実が付くように摘心(実や花を大きくするために、新芽の先端を摘みとること)していく。子づるに実が付くと形が悪くなってしまうらしい。
 「青しまうりを作り始めた30年近く前にこの方法にたどり着きました。栽培のコツは、枝を太らせることと、古い葉っぱを取り除
青しまうり漬の販売は9月までで、11月からは大根の粕漬けを樽売りしています」
 JAでは「青しまうり漬」の姉妹品として、「孔子漬け」という名前で大根の酒粕漬けを数量限定で販売している。大根の甘味と歯切れのよさが酒粕とマッチして、まろやかな風味を醸し出している。青しまうり用の酒粕が余ってもったいないというところから商品化したそうだが、そのおかげで年間を通して粕漬けを味わえる。樽で購入すれば、その酒粕の床を利用して、ほかの野菜を漬け込むこともできる。
 佐賀県では、上質の酒粕を自然熟成・発酵させた「竹八漬」も親しまれている。冬場にしか味わえないタイラギ貝の貝柱を一年中賞味できるように、酒粕・砂糖・塩を練り合わせて調味したものだ。「貝柱」のほかに「海茸」や「鯨の軟骨」などを酒粕に漬けたものもあり、数種類の野菜を漬けたものは「はがくれ漬」と呼ばれているようだ。
 「青しまうり漬」や「孔子漬け」を味わいながら、佐賀県の酒粕漬け文化を楽しんでみたい。

2日間の塩漬けのあと、酒粕に漬けて1か月以上で完成。出荷時に樽に小分けにして、年間を通じて販売する(写真中央・右=稲垣幸美撮影)

塩漬けで水分を出し、酒粕に漬ける

 JAの集荷施設に持ち込まれた青しまうりは、両端を切り落として半分に割り、種をくり貫いておく。次に塩をたっぷりとまぶして漬け桶に並べていく。このときの塩分濃度は、ややしょっぱめ。翌日に水分が出てくるので、おもしを載せて2日間漬ける。それをハウスに並べて、温風をかけて半日ほど乾燥させる(雨の場合はさらに時間がかかる)。両端を切り落としてから半分に切り、スプーンで種を取り除く。作業を分担し、手際よく進んでいく。  「表面に塩がうっすら浮かんできて、触ったときにしっとりする程度が乾燥の目安です。乾燥が足りないと、歯ごたえがなく柔らかくなってしまうんです」(野中さん)
 その後、塩抜きしないで、そのまま酒粕に漬け込む。塩分と酒粕が入れ替わり、常温で1週間ほど置いたあと、冷蔵庫で追熟させ、1か月を過ぎたころから商品として出荷できる。
左/種をくり貫いた部分に塩をたっぷり詰めて周囲にも塩をまぶし、余分な塩を取り除く。漬け樽に並べたあとでも、追加で塩を振る。 右/網の上に並べて、温風を当てながら時間をかけて乾燥させる。正面がしっとりする程度で塩漬けする。 「青しまうり漬は、初盆のときに欠かせない漬け物なんです。今年は初盆だから、早く漬けたいという人もいますね」
 初盆は、故人が亡くなってから初めてのお盆のこと。遺族や親族以外にも故人に縁のある人を招いて、きちんとした法要を営むことが多い。
 青しまうり漬は、酒粕が入った樽売りや真空パックなどの商品があり、いずれも通販で取り寄せられるほか、地元の直売所でも購入できる。
 「毎年購入していただいているお客様から注文があり、贈答用などにも使われています。地元のホテルや旅館でも、青しまうり漬を出してもらっています。

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