東海漬物
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第30回 岐阜県

の当たらない倉庫で保管管理し、12月から1月にかけて50トンほど漬込みします」
 まず機械で水洗いして、手作業で凹凸を取り除いて形を整え、1個ずつ丁寧に皮をむく。それを大きな樽に入れて水にさらし、約2週間かけてアク抜きする。その後、味噌や粕の桶に3か月以上漬け込むと完成だ。

最初に機械で水洗いして土を落とす。包丁を使って凹凸を整える。
ひとつひとつ形が違うので、機械化できないのが悩み。2週間ほど桶に入れて水にさらし、アク抜きする。

救荒作物だった菊芋を名産品に

 恵那市岩村町で菊芋の漬物を製造する「およねさんの店」の創業は1988年と古く、今で言う「道の駅」の先駆けでもある。生産から加工・販売まで行なうスタイルは、当時はまだ一般的ではなかったはずだ。
 「昔から地元では、農家が自家用に菊芋を栽培し、漬物にしていました。菊芋は一度植え付ければ、全部収穫してしまっても、根が少しでも残っていたらそこからまた出てくるんです」
 そう話すのは、菊芋コーポレーション

菊芋は地下茎で広がっていくので、芋を掘り起こしたと思っても、翌年また芋をつけるという。

代表の今井一朗さん。菊芋はキク科ヒマワリ属の多年草で、北アメリカが原産。日本には江戸時代末期に家畜の飼料用として導入されて「豚芋」とも呼ばれていた。
 その繁殖力の強さから「八升芋」とも「1斗芋」とも呼ばれ、戦中戦後の食糧難時代を支えてくれた作物で、「要注意外来生物」に指定されている一方、現在は地元農産物として定着し岐阜県より飛騨・美濃伝統野菜に認定されている。
 5月の連休ごろに発芽して、9月から10月にかけて菊に似た黄色い花を咲かせる。草丈は2m以上に育ち、霜が降りる秋には地上部の茎が枯れて、地中に塊茎を作る。11月以降、茎を刈り払って、機械で掘り起こしてから収穫する。
 「掘り出した状態で放置すると凍ってしまうこともあり、菊芋特有のシャキシャキした食感がなくなってしまいます。日に干しても同じように柔らかくなってしまうので、収穫したらすぐに日
健康面から注目を集めている。
 今井さんは、菊芋の漬物に母親の名前である「およねさん」を付けてブランド化した。農家のおばあちゃんのイメージもあり、珍しさもあって地元の特産品として定着している。漬物のほかに、粉末にしてお茶やパンに混ぜたり、チップスにも加工して、菊芋の付加価値を高めている。

甘口の漬物のほか、お茶やパンにも加工

 「商品化するときに、常温保存ができるようにするか、冷蔵販売にするか、けっこう悩みました。でも、常温にするとどうしても塩分が高くなったり保存料が必要なんです。当時はまだ冷蔵のショーケースが普及してなかったんですが、やっぱり保存料を使わないおいしいものを食べてもらおうと、冷蔵保存で売り始めました」
 薄切りしてもらった菊芋の味噌漬けを口にすると、シャキシャキした独特な食感があり、ほのかに味噌の香りが鼻に抜ける。「およねさんの店」では塩分を

形を整えたあと、1個ずつ丁寧に皮をむいていく。黙々とした作業が続く。

控えて甘口に仕上げているため食べやすいと評判で、今では全国各地から注文が入るという。
 さらに菊芋には「天然のインシュリン」とも呼ばれる「イヌリン」という成分が豊富に含まれているため、最近では美容や
しない株を選んで、その株を植え直して春に種を採ることを繰り返してきた。その結果、畑全体でトウ立ちするものが減った。ここまで安定させるのに、約30年近くかかっているという。

菊ごぼうは連作できないので、7年間はほかの野菜を作るそうだ。

「中津川の郷土野菜を守りたい」と語る、菊ごぼう栽培の名人・石田耕一郎さんと裕美さん。

菊ごぼうの漬物は、アザミの根っこ

菊ごぼうの花が枯れると、種が採れる。秋に植え替えて、春にトウ立ちさせたものを使う。

 中津川の名産品として昔から親しまれている「菊ごぼう漬け」は、10か月ほど味噌樽で漬け込まれたもの。「菊ごぼう」はキク科のアザミの仲間で、ヤマゴボウが正式名称。この地域で栽培されている菊ごぼうは、1862年(文久2年)、美濃国恵那郡本郷村富田(現在の岐阜県恵那市岩村町富田)の庄屋である吉村家が、山に自生していたものを栽培したのが始まり。
繊維質、炭水化物、タンパク質、糖分が多く含まれ、滋養強壮の効果があることから、その昔、年貢として納められたこともあるという。
 「菊ごぼう、山ごぼう、アザミごぼうと、いろんな呼び方があります。輪切りにすると切り口が菊の模様に見えることから、菊ごぼうと呼ばれるようになったんです。独特の風味と香りがあり、柔らかくて歯ごたえがいいのが特徴ですね」
 中津川市で菊ごぼうを栽培する農家の石田耕一郎さんと裕美(ひろみ)さんご夫妻は、地元産の菊ごぼうの香りのよさを強調する。
 種まきは6月下旬から7月上旬ごろ。発芽するまでは水やりが欠かせないので、毎日たっぷり散水する。
 「実は、市販されている種を使うと、収穫時にトウ立ちしてしまうことが多いんです。トウが立つと筋ができて、硬くてかみきれなくなります」
 石田さんは、県の研究者から在来の菊ごぼうの種を譲り受け、秋にトウ立ち

菊ごぼうの醤油の浅漬けは、香りがいい。石田さんがお勧めする食べ方。

品種を維持しながら栽培できるのは数名しかいないそうだ。今後、伝統の菊ごぼうを受け継いでくれる人が現れることを期待したい。

赤土の畑で育った菊ごぼうは香りが強い

重機を使って土を軽く起こしたあと、一本ずつ手で抜いて収穫する。

 菊ごぼうの栽培には赤土が適している。火山灰土や黒土だと、どうしても香りが弱くなる。11月に入って霜が3回降りたら収穫を始める。その前だと、トウが立ってなくても筋っぽいそうだが、霜に当たると柔らかくなって食感がよく、香りが強くなる。
 中津川の人たちは「他の土地で採れた菊ごぼうは香りが弱い」と言い、自分で栽培している人でも、石田さんの赤土の畑で採れた菊ごぼうを待ち望んでいる。中津川の人たちにとって、菊ごぼうは
正月のごちそうなのだ。
  「これがないと正月が来たような気がしないという人が多いですね。味噌漬け、たまり漬けのほか、ニンジンと昆布とスルメを入れて松前漬けにもします」
 石田さんのお勧めの食べ方は、醤油の浅漬け。1〜2時間くらい、醤油とみりんに漬けておくと、いちばん香りがいいそうだ。もちろん生でサラダにすれば、シャキシャキとした食感も楽しめる。
 かつて、中津川には菊ごぼうの生産組合があったほど栽培されていたが、一度作ると7〜8年は同じ場所で栽培できないこともあり、広い畑を維持できなかったり、高齢化もあって、しだいに作る人がいなくなってしまった。
 根を長く育てるのには手間も技術も必要らしく、菊ごぼう発祥の地で、この

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