成田山の定番の土産「鉄砲漬け」は、白うりの内側をくりぬき、そこにシソを巻いた青唐辛子を詰めてから、醤油やみりんなどで漬け込んだもの。その製法が鉄砲に火薬を詰めるのに似ていることから、「鉄砲漬け」と呼ばれるようになった。
食べてみると、コリコリした白うりの歯ごたえがあり、醤油としその香りが口の中に広がる。青唐辛子のピリッとした辛味のせいか、ご飯の供としても、お酒のおつまみにもちょうどいい。
「元々、成田周辺はうり栽培が盛んで、成田山・新勝寺周辺の旅館や料亭で漬物を出すうちに、参拝に来た人の土産物として定着したようです」
そう話すのは、沢田漬物の専務取締役・沢田克洋さん。昭和35年に創業し、当初から鉄砲漬けを生産していたそうだ。
沢田さんによると、農家で自家用に栽培しているのは、主に「はぐらうり」が多く、「歯がぐらぐらしている人でも噛みきれるほど柔らかい」ことから名づけられた品種。半割りにして種を取り除いて一晩くらい塩漬けにして、浅漬けとして食べるという。塩分濃度は2%と低めで、さっぱりとしてコリコリとした食感があり、お茶請けとしても親しまれている。
「逆に、鉄砲漬けに使われるのは漬物用の白うりで、昔は「江戸川早生」という品種を使っていましたが、今は「東みどり」という品種を使っています。肉質が硬めで」パリパリ感があるのが特徴ですね」