都道府県別のナスの作付面積では、新潟県が日本一。ところが、収穫量は6位、出荷量は17位と大きく下回っている。さらに10アール当たりの収穫量では下から数えたほうが早く、44位とふるわない(平成21年度農林水産省調べ)。新潟県では露地 栽培が多く、ハウス栽培での収穫が多い他県と差がついているようだが、それだけではない。ナスの実を大きく育てないで、実の引き締まった小ぶりのナスを好み、自分たちで毎日のように食べてしまうからだ。
ナスはインド原産で熱帯性の植物。それが中国大陸を経て、かなり古い時代に日本に伝えられた。奈良時代にはすでにナスを食べていた記録があり、江戸時代後期には野菜の中ではもっとも需要が多く、日本最古の農書『農業全書』にも、ナスの苗の育苗法や栽培方法が詳しく書かれている。当時は形の違いのほかに、紫色・白色・青色のナスがあった。